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ラファエルはフランス革命の最中、フランスはパリで創業。

ラファエルはブラシというものが一産業として歴史的にも認められた直後から220年以上もの永きに亘り、ブラシだけを造り続けているメーカーです。
ラファエル創業の年(1793年)、日本では江戸寛政5年にあたり、歌麿や写楽らが技を競っていた頃になります。ヨーロッパではピカソやセザンヌなど著名な画家たちも活躍しており、ラファエルブラシを愛用していました。

210年以上もの長い歴史の中で培ってきた知識、ネットワークにより、ラファエルでしか出来ない原毛の調達、加工システムをもっています。また何代にも受け継がれてきた職人技で出来るブラシは毛先を一切刃物でカットせず、1本1本手作りで創業当時と変わらないスタイルで造られています。

2世紀以上の間、フランスはもとより、諸外国の数知れない画家、陶芸家、ステンドグラス作家の要求に応じて磨き上げられた優れた品質とその種類の豊富さがラファエルのブラシです。
現在ラファエルは168シリーズ、1,164種類のブラシを常時製造し、本場フランスでは約60%の市場占有率を今もなお誇り、フランス文化庁の栄えある推薦を受けている世界最大のブラシ専門メーカーです。

現在のラファエル社屋

創業当時の工場風景

1925年の工場風景

1937年当時のカタログ

1904年当時のカタログ

3代目社長、チャールズ・サワー(1895年)、10代目社長、エリック・サワー

ラファエル画筆の製造工程

ラファエルの画筆は一本一本ベテラン職人により手作りで作られています。厳選された毛質を使用し、アーティストの要望に対応出来る様、多くの種類を取り揃えております。
ラファエルでは大きく分けて5工程からブラシを製造しています。

​1). ヘアードレッシング

ヘアードレッシングとは、ブラシ作りの工程で最も重要な作業として知られています。ラファエルでは原毛の調達、加工を自社で行い、毛質の善し悪しを決めるドレッシング加工において世界に誇る技術を持っており、未だに伝統的な方法でドレッシング加工を全て行っている数少ないメーカーです。この作業で3つの障害(短すぎる毛、長すぎる毛、逆毛)がブラシの形をだめにしてしまう大きな原因となります。短すぎる毛や逆毛があるため穂先が二つに割れたり、抜け毛の原因にもなります。 ラファエルでは“ヘアードレッサー”(ドレッシング職人)が“ブラシメーカー”(ブラシ職人)に完璧な毛束を渡すため時間を惜しまず作業をするよう指示されています。

ラファエル動画
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​2). 穂首の製造

次に、ヘアードレッサー(ドレッシング職人)がドレッシング作業を終えた毛束をブラシ職人に渡します。ブラシ職人は毛束をほどいてテーブルの上に平たく一列に並べた後、各サイズに必要な定量を取ります。これは6年から8年トレーニング(修行)したブラシ職人のみできる見事な職人技です。
取り出された的確な毛量を十分に広いカップの中で一回叩き、次に直径または口金の首と全く同じ小さいカップに入れます。その中で毛束を糸で2度結びにし、余った糸は切ります。
そして、カップから毛束は取り出され、毛先を一切カットせず指を使って穂先の形を作ります。この作業は穂先の形を作る上で最も重要な作業で熟練した職人技が必要とされます。毛束の底(毛先の反対側)のわずかに余った毛をまっすぐに刈り取ります。
毛束は口金の首(円すい状の口金の幅が広い側)から差し込まれ、定規で正確に測りながら毛先の長さを調節します。
平筆とフィルバートの場合、特別なペンチで口金を平らにします。この時口金の幅を調整し、また余分な長い毛は取り除かれます。そして口金を逆さまにして、穴が開いた金属の板に並べ、次の接着作業に向けて準備が整います。

​3). 穂首と口金の接着作業と穂首の検査

次に、出来上がった穂首と口金の接着をし、ブラシトップを作ります。その際に毛先が乱れていないか再度確認、検査をします。最高品質のブラシをご提供するため、最後の検品処理が施されます。拡大鏡を使用しブラシの穂先と口金部分のテストを行います。初めに乾いた状態の穂先をチェックし、次に穂先の形状が均整であるかを確認します。もし長い毛や逆毛が飛び出ていたら、ハンドルと組み立てる前に修正されます。 口金が個々にチェック・検品されている間に、ハンドル部分が準備されます。

​4). ハンドルの製造

木の幹は板材に加工される前に数ヶ月乾燥され、四角い長い棒状から円柱に加工されます。ラファエルでは釘または穴ではめ込むホールディング板にハンドルを打ち付け固定し、ハンドルの色となる塗料が入っている樽につけます。ハンドルを樽から目で確認出来ない速度でゆっくりと上げ、色がポタポタ落ちないよう、また平均に塗装できるようゆっくり作業します。ハンドルがはめ込まれている板は乾燥され、この作業を大体4回ほど繰り返します。その後にホットスタンプの機械で刻印、またはブラシと口金がかしめられた後にシルクスクリーンで刻印します。スタイルや刻印の形・サイズによってどちらかの方法になります。
ハンドルは組み立ての前に刻印がある、ないに関わらず一本一本まっすぐかどうかテーブルの上で転がしてチェック・検品されます。

​5). ロゴの刻印、口金とハンドルのかしめ、最終検査

出来上がったハンドルにロゴ、シリーズ番号、サイズを刻印、印刷します。その後口金とハンドルをかしめ、最終的な筆の形になります。最後に出来上がった筆を職人が1本1本検査して出荷されます。

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